ビットコインの送金問題を解決する【ライトニング】と【アトミックマルチパスペイメント】

2017年の年末から2018年の初めにかけて、仮想通貨の市場価値高騰とともに起きた問題がトランザクションの詰まりによる、送金の遅延手数料の高騰でした。


以前から懸念されていたことでしたが、ビットコインを例に取ると1BTC220万円の価格をつけ、送金手数料は0.001BTC場合によってはそれ以上に高騰しました。

日本円にすると2200円ですね。仮想通貨は金額が高くても安くても送金手数料はかわりません。
100BTCでも1BTCでも0.01BTCでも手数料は一定です。


日本円に直すと2億2千万送っても、220万送っても、2万2千円送っても送金手数料は2200円ということになります。

これでは仮想通貨によって実現が期待されているマイクロペイメントは全く機能しないことになります。

マイクロペイメント(小額決済): 数円や1円以下の少額送金。従来の銀行による送金では実現し得なかった少額の送金の実現が期待されている。


幸いにも、最近ではトランザクションの混雑は落ち着いてきて、取引所からの送金やウォレットからの送金は安くなってきています。




しかしこれは、「道が空いているからいまは渋滞なく通れるよー」と言うことで、問題の本質的な解決には至っていません。

そこで登場した新しい技術が【ライトニングネットワーク】です。


今回はライトニングネットワークとはなにか?ビットコイン(仮想通貨)の送金問題とはなにか?というテーマで書いていきたいと思います。


ビットコインの送金問題を解決する【ライトニング】と【アトミックマルチパスペイメント】



スポンサーリンク





ー ビットコインの送金問題


ビットコインはブロックチェーンという仕組みで動いています。




ビットコインの場合は1MBの容量のデータ(ビットコインの送金記録)をひとまとめにして10分毎にマイナーによってブロックに記録されます。


ひとつのブロックには約1000件から1500件のトランザクション(送金記録)が入りますので、入り切らない場合は、次へ次へ順番待ちということになります。


利用者が少ない場合は10分待てば、送金は完了しますが、利用者が増えてくると混み合ってしまいますので何時間何日も待たされることになります。

実際、2017年の年末は送金に2,3日かかっていました。



また、トランザクションフィー(送金手数料)は仮想通貨の場合、データ量によって変わってきます。

1BTCでも1000BTCでもデータとしてはほとんど変わらないので、手数料が変わることはありません。


この手数料はビットコインの仕様上、より多く払った人の送金が優先されることになっています。

手数料はトランザクション処理をしたマイナーに入りますので、手数料の取り合いになるわけです。

混み合っている時は、安い手数料の送金はマイナーに見向きもされないので、いつまでたっても送金が完了しないという問題が起きるわけです。



この1MBの容量制限の問題【スケーラビリティ】トランザクション処理の時間の問題からビットコインは過去に分裂しています。


ビットコインを【segwit】という機能でバージョンアップしようとした人たちと、ハードフォークして全く別のコインに生まれ変わらせようとした人たち【ビットコイン・キャッシュ】です。



ビットコイン・キャッシュは去年誕生して、1ブロック8MBの容量や数秒での素早い送金を実現しています。

この記事ではビットコイン・キャッシュについては触れませんが、ビットコインの送金問題を解決するひとつの選択しとして評価できます。




ー ライトニングネットワークで送金問題は解決できるか?



上記でビットコインは【送金の遅さ】【送金手数料の高騰】のふたつの送金問題を抱えていることを説明しました。


その問題の解決に取り組んだのがライトニングネットワークです。

ライトニングネットワークは、オンチェーンではなくオフチェーンでビットコインを送金することによって、素早い送金と安価な手数料による送金を実現しています。



これはどういうことかというと、オンチェーンというのは通常のようにブロックチェーンに記録を刻む方法で、マイナーに手数料を払い記録してもらいます。

これが通常の仮想通貨の送金ですね。


オフチェーンで送金というのは、ブロックチェーンとは全く別のネットワークを使って送金する方法です。


そんなことができるのか?と思われるでしょうが、できます。ビットコインのsegwitの実装とライトニングの開発によって可能になりました。


具体的な機能のしかたは、他に沢山のブログで解説されているのでそちらに譲るとして、このブログでは概要だけ述べるにとどめます。



スポンサーリンク





ブロックチェーン上にあるビットコインをライトニングネットワークに移すと、ブロックチェーン上のビットコインがロックされます。

つぎにライトニングネットワーク上で、送りたい相手へと送金します。

ライトニングネットワークでは、無償または低い手数料で送金できるため手数料は問題にはなりません。

また、送金も数秒で可能です。目的の送金先に送ることが出来たら、再びオンチェーン上にビットコインを戻し、ロックされていたビットコインは新しい所有者の元に移ります。


文章ではわかりにくいので、絵に書いてみました。

IMG_3003.JPG

下手な絵で恐縮ですが・・こちらがブロックチェーンの概念図

ビットコインの場合、10分で1ブロックが生成され、1つのブロックには1000~1500件の取引記録が刻まれます。

1秒にすると、1500件の場合1秒で2.5件の処理能力しかありません。


クレジットカードのVISA1秒で1万件以上処理できるので、ビットコインは実用的ではないとわかります。

絵には書いていませんが、このブロックチェーンに記録する人がマイナーで、報酬として手数料を受け取ります。



ブロックチェーンは速度制限が遅い道路に、世界中から車が殺到するようなものです。

渋滞しやすく、通行料を多く払った人は先に通してくれる特殊な道路です。

IMG_3002.JPG

こちらがライトニングネットワークの概念図です。

アルファベットで書かれている丸が各チャンネルで、誰でもチャンネルを開くことが出来ます。


そして任意のチャンネルと繋がることができ、この無数のチャンネルの繋がりを通してビットコインを送金します。


ブロックチェーンが一本の道路だったのに対して、ライトニングネットワークは複雑に入り組んだ道路で、目的地にたどり着くまで無数の経路が提供されている道路と言えます。


しかも、数秒で送金することができ、手数料も無料か少額です。


複雑なフリーウェイみたいなイメージでしょうか。



ただ、ライトニングネットワークも万能ではなく問題点を抱えています。


各チャンネルはビットコインをデポジット(預ける)ことでチャンネルを開くことが出来ます。

そのチャンネルをビットコインが通るには、チャンネルがそれ以上のビットコインを持っている必要があります。


ビットコインをそれぞれのチャンネル間でリレーすると考えていいでしょう。

上の絵はそれぞれのチャンネルに数字を割り振ってあります。これがそのチャンネルが持つビットコインと考えてください。


例えば、AチャンネルがOチャンネルに4BTCを送るとします。

その場合、A C G K Oの順で送金することになります。ほかのチャンネルはデポジットしているビットコインが少ないのでリレー出来ないからです。


このことでどんな問題を生じるかと言うと、ライトニングネットワークは中央集権化しやすい可能性があることです。

Screenshot-from-2018-01-16-06-48-20.png

これは実際のライトニングネットワークの図ですが、よく見ると多くの線がつながっているポイントがあります。

それぞれのポイントはチャンネルを表していますが、たくさんのビットコインをデポジットしているチャンネルにネットワークは隔たってしまうことがおわかりになると思います。

本来ブロックチェーンは分散化を目的としたネットワークなのですが、これでは中央集権化という問題に後戻りです。


このライトニングネットワークが持つ問題を解決するのが、次に紹介する【アトミックマルチパスペイメント】です。



ー アトミックマルチパスペイメントとは?



アトミックマルチパスペイメント(以下AMP)とは、上記のライトニングネットワークが抱える問題を解決するための新しい技術です。


上記の通り、ビットコインを送りたい場合は送りたいビットコインの量よりも多くビットコインをデポジットしているチャンネルを通らなくてはいけません。


それが、中央集権化に繋がると懸念されているのですが、AMPは送るビットコインを分散化することで一部のチャンネルに隔たることなく、同時にライトニングネットワーク内で送金を可能にする技術です。


例えば先ほどのAO4BTC送りたい場合、4BTC1BTCづつに分散化するとどのチャンネルからでも送ることが出来ます。(F除く)


このAMPによって中央集権化問題は解決することができ、もっと細分化すれば送金履歴を追うことも難しくなるので、プライバシー問題にも対応できます。


アトミックマルチパスペイメントについては大石さんのブログをどうぞ【異様な発明、アトミックマルチパスペイメント



ー ビットコインの今後


一部ではビットコインは使い物にならない。過去のものだ。ほかの仮想通貨に取って代わられる。といった批判がありますが、ライトニングネットワークの開発のように、開発者の努力により改良を重ねています。

仮想通貨全体の中でも、圧倒的な時価総額を誇るのはビットコインであり、それは今後も変わらないと思います。



インターネットがで初めの頃、ビル・ゲイツはインターネットは使い物にならないと、見限っていましたが、インターネットが無くてはならない物になったことは、皆さんの知っての通りです。

まだ発展途上にある仮想通貨(ブロックチェーン)です。ライトニングネットワークなどの様々な技術開発によってやがては、私たちの生活に欠かすことができない社会基盤にまでなっていくでしょう。


また、おもしろい技術開発があったら、ブログで紹介したいと思います。





この記事へのコメント